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故郷の山河-4 [故郷]
轟橋(とどろばし)と出会橋(であいばし)
日本一という橋を目指して出かけた。
原尻の滝の道、県道7号線を南にひたすら走り、国道410号線に入る。
国道といっても、道幅は狭くて、対向車があると、離合するのが大変である。
曲がりくねった人家も見当たらない山道をどんどん上っていく。
両側が杉林の薄暗い場所を抜けると、忽然と神社と民家が目に入る。
古びた神社と豪華な一軒家である。
私も田舎育ちだけど、こんな風景は初めてである。
横溝正史の小説の世界に迷い込んだような気になった。
近くに人の気配はない。
よくよく眺めていたら、山中酒店という看板が出ていた。
ガラス戸の中をみると、日本酒の一升瓶が並んでいる。
酒の小売屋さんであることは、間違いないようだ。
だけど、近くに他の民家もないこんな場所に、酒を買う人が来るのだろうかと思う。
石碑が建っていた。
愛媛県に生まれたご先祖様が、大正元年にここへ住み着き
製材運送業を始めて財をなし、地域の教育事業をしたと書いてある。
昔は、ここでは製材運搬業が栄えた所らしい。
でも、いまはすっかり廃れてしまっているのだ。
さらに進んでいくと朽ち果てた一軒家!
やがて案内版を発見!
書いてあることが粋なのだが、そばには小さな石の鳥居が壊れたようなものが・・・・・
なんか、めちゃわびしくなった。
それでも、めげずに狭い山道を下る。
目の前が開けて、集落が現れた。
目指す橋は、そこにあった。
橋の麓に橋の説明板があった。
石橋としてはアーチ直径が日本1位の轟(とどろ)橋、同2位の出会橋が同じ川の上に、
しかもすぐそばに並んで架かる、隠れた絶景スポットらしい。
ちなみに出会橋は、平石地区・轟地区間の重要な交通路として、
なんと旧清川村平石・轟地区の住民の手によって架けられたもの。
大正13年完成。
一方、轟橋は、木材を搬出するトロッコ列車のためにつくられた橋で昭和9年完成とのこと。
出会い橋から見た轟橋
轟橋からみた出合橋
川の水は、すごくきれいである。
ここも原尻の滝と同じで阿蘇の火砕流で出来た大地で柱状節理が見られる。
我が故郷は、阿蘇山の火砕流と火山灰でできた大地の上なのだ!
故郷の山河-3 [故郷]
ひまわりの寺 南林寺
国道502号線の「原尻の滝入り口」の信号を入ると
道の駅「原尻の滝」に至る。
そこを通り過ぎて500m程で仏の里の看板が有り、
そこから、山に中に入っていく。
道案内は、小僧さんがしてくれる。
棚田沿いの山道を行く。
時折、数軒の民家集落を通り越して、クヌギ林を抜け
鳥居のある鎮守の森を過ぎると
突然視界が開け、眼下にひまわりの花に囲まれるように寺院が目に映る。
山門の前に看板が立っていて
「ふるさとのあなたの寺です。南林寺」と書かれている。
まさに我が故郷の寺なのだ!
坂道を上がり山門に入ると
天井には、天井画があった。
山門の石段をあがると、正面に本堂!
左手には、納骨堂。
右手は庭が広がっていて、池がある。
渡り廊下には、二匹のあまのじゃく!
本堂前に掲げられた看板には
「恋しくは 南無阿弥陀仏を 称うべし 吾も六字の中に住むべし」
と書かれている。
で、ここで私も一句浮かんだ。
「恋しくは 訪ね来てみよ 大分の 山の奥なる ひまわりの寺」
われながら良い出来映えだと一人自画自賛です!
故郷の山河-2 [故郷]
原尻の滝とその周辺
故郷の名所といったら、まずあげられるのが原尻の滝です。
普通、滝と言えば山岳地帯にあるのですが、
原尻の滝は、平野部に有り、車でそばまで行けます。
案内版がないと、見過ごしてしまいます。
滝のそばには道の駅「原尻の滝」もあります。
春には、一面にチューリップが咲き乱れ、
素晴らしい景観を見ることが出来ます。
滝の上は、石の鳥居が立っていて、生活道があり車も通れます。
12月には、この鳥居の下を神輿を担いだ裸の男達が川渡をします。
この滝の周辺は、わが町の唯一の平野部です。
江戸時代は、「荒城の月」で有名になった岡城の岡藩の領地だった。
5千石といわれる平野部です。
町の大地は、かって阿蘇山が噴火した折りに流れ出た溶岩が土台です。
(秋の原尻の滝)
しかし、川は低地を流れるため、水田用の水路が張り巡らされています。
あちこちで、今でも水田に水を供給するための水車が回っています。
滝の下手には、吊り橋が架かっていて、滝を眺められます。
滝の観光に来た方は、道の駅で車を置いて、歩いて行けます。
毎年、8月14日の夜には、
この平野部全体に沢山の灯がともされ幽玄な世界が体験できます。
また、滝のそばでは、御嶽流の緒方神楽も奉納されます。
動きの激しい勇壮な神楽です。
大分県は、神楽の県でもあります。
沢山の神楽座があります。
岩手県の早池峰神楽(はやちねかぐら)が有名で国指定文化財第1号と聞いていますが
御嶽神楽(おんだけかぐら)も国指定文化財の指定を受けています。
早池峰神楽と比べて御嶽神楽は、歴史は新しいが、それだけに完成度の高い神楽で
動きの激しいリズミカルな舞で、日本神話を手本にしているようです。
演目として有名なのが「天孫降臨」、「岩戸開」、
須佐之男命による八岐大蛇退治の「八雲払」(やくもばらい)等があります。
毎年4月の第1日曜日に、清川町の御嶽山麓にある神楽の里・能場公園で、
御嶽流神楽の流れを汲む大分県内外の神楽が一堂に集まる御嶽流神楽大会が開催されており、
御嶽神楽をはじめとする御嶽流神楽を鑑賞することができます。
我が故郷は、神楽の里でもあります。
驚愕! [ぶらり生活]
友人と共にコンサートに出かけた。
大津市伝統芸能会館で行われる景山木美子さんの
リリックソプラノコンサートである。
ソプラノは大まかに、スブレット、リリック、ドラマティックの3つのカテゴリーに分けられるが
リリックは、「恋人タイプ」に分類される。
美しく柔らかな声質を持ち、長いレガートラインを描けるしなやかな声、
広がりのある明るめの声であること求められるとか。
人に支えられて能舞台のステージに立つ景山さんは
今年92歳になるという。
年齢を聞いただけでも、驚きであるが、
マイクを使わず、歌う彼女の歌を聴いて、驚愕した!!!!
包み込むように優しく、透き通った若々しい歌声!
信じられないくらいである。
しかも最初の歌がペルゴレージの「ニーナの死」なのだ!
私は短調の歌が好きなのだが、この歌もホ短調の歌である。
ヘンデルの「私を泣かせてください」も心をつかまれた。
第一部は、アヴェ・マリアで締めくくられた。
第二部は、日本の歌だった。
「秘唱」
平井康三郎作曲/西条八十作詩
ひとすぢの青き葦さへ
吹き吹けば佳き音をしらぶ
吹き吹けば佳き音をしらぶ
ひとすぢの焔とならば
いつの日か君燃えざらむ
いつの日か君燃えざらむ
たまきはる命をかけて
愛ほしききみよ 女よ
愛ほしききみよ 女よ
最後の歌「サルビア」
中田喜直作曲/堀内幸枝作詞
サルビアは赤い花だわ
その花は血の色だわ
私はその花をみつめていたとき
急に愛の言葉を口にしたのね
その花は血の色だわ
私はその花をみつめていたとき
急に愛の言葉を口にしたのね
夏の風はあったかいわ
疾妬する熱風だわ
かん高い感情の中でとまどった
ふたりの顔に吹き付けていたのよ
サルビアのはなびらを
いっぱいふりかけてちょうだい
まっ赤な色にふちどられて叫んだ
あのときをもいちど思い出したいの
この二曲が私には良かった。
情熱的な歌でした。
アンコール曲で
「荒城の月」を聴いた時には、胸が熱くなった。
この歌は、私にとっては、特別の想いがあります。
荒城の月の作曲者、滝廉太郎は、大分県の竹田市に一時住んでいて
竹田市にある岡城跡に銅像が建っている。
その岡城跡のすぐ麓に私の卒業した高校が今でもあります。
私はその山の上の岡城跡を半周するようにある道を3年間通った。
クラスの友人と城跡に上り、よく遊んだものだった。
卒業式の日にも、クラスの友人達と上り、
最後にみんなで校歌と荒城の月を合唱して別れた。
青春時代の思い出の歌でもあるのです。
感動的なコンサートだった。
コンサートの後は、友人宅で夕食をご馳走になった。
おかげで本当に楽しく、びっくりで有意義な一日になった。
故郷の山河-1 [故郷]
思うことがあって、故郷に帰ってきました。
6月の故郷は、田植えの季節です。
小高い山々に囲まれた谷間には、小川が流れ、
棚田が続いています。
稲の植わった水田には、アヒルやコウノトリが訪れています。
狸やキツネだっています。
勿論、鹿やイノシシも歓迎はしないけどいるのです。
故郷は、野生の動物の楽園でもあります。
大野川に架かる橋
名もなき小川も沢山あります。
緒方川に掛かる原尻の石橋
人間とイノシシのかかし
谷間には棚田が広がっています。
故郷でも、過疎化が進み、美しい棚田も荒れ果てている所もあります。
それでも田植えの終わった棚田を眺めていると
誰かが言った「農業は芸術だ」という言葉が脳裏に蘇ってきます。
私達にとって”美しい自然”とは、人の手の入った自然のことだと実感します。
そして、この自然の中で生まれ、育った自分を幸せに感じます。