故郷へ続く草原の道



その瀬の本高原の道沿いに
郵便ポストだけがポツンとたたずんでいた。
見渡せど人家はない。
ただ草原が広がっているだけである。





ポストの横に竹筒が設置されていて、花が生けてある。

どんな便りがこのポストに届くのだろうか?
草原の奥の方に人家があるのだろうか?
のんびりと草を食む牛さんに聞いてみるが
応えは「モウ 知らない」というのだ。



でも、ポストの近くには、これまたバス停がある。



て、ことは、人が乗り降りするはずなのだが・・・・・・・
まさか、牛さんのバス停ではあるまい。

冬に通っても、ポストはちゃんと立っているのだ。





不思議なポストだ。
誰のために、どんな便りを待っているのだろう!
直接、聞いてみても、なにも応えてくれない。



それで思うのだけど
今度、ここを通るときは、私の便りを入れておこうと思う。
草原からの便りがかえってくるのだろうか?
帰ってくるとすれば、どんな便りなのだろうか。
なにか、うれしい胸騒ぎがする。