強烈な台風がやって来るらしい!

故郷は、直撃を受けそうで心配です。

お彼岸も目前の時期です。

そんな時期の故郷では!


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荒井さんの自動車修理工場は、県道沿いにあるのだが、

なぜか表札は『福沢諭吉』となっている。

県道沿いといっても、田舎の県道で人家も点々と見えるだけの

のどかな田園風景の広がる地域なのだ。

荒井さんは今年で六十五歳になる。

自宅は工場から少し離れて県道から入ったところにある。

自宅の表札は『坂本龍馬』であり、荒井の表札はないのだ。

誰が聞いても彼は、笑っているだけでその理由を口にしない。


が、荒井さん宛の郵便物は、ちゃんと配達されるし、

生活になんの障害もないのである。

つまり、誰も表札を信じる人などいないのである。

もちろんお寺さんも法事には、ちゃんとやってくる。


そして、今日がその日である。お盆過ぎの炎天下の日である。

坊さんも見えて、法事が終わったばかりの頃、

「こんにちは!」と元気な声がして、

玄関に頭髪がすっかり後退した赤ら顔の老人が立っていた。

隣の集落に住んでいる岡田さんである。

岡田さんも今年で八十二歳である。

「軽トラの調子が悪いので見てもらいたいのだが」という。

「車は動くのかい?」

「まあ、なんとか。」 

「じゃあ、明日持ってきたら見てあげる」と荒井さんが二つ返事で引き受けると、

岡田さんは、よろしく頼みますといって、帰って行った。


が、暫くして、坊さんが帰るのを見送りに庭に出ていると、

岡田さんがまた、汗を拭きながらやって来た。

「どうしたん?」

岡田さんは、バイクを忘れたというのだ。

よく見ると坊さんの車の横に確かにバイクがある。

さっき来た時は、バイクに乗って来たのに、

帰るときは、そのことを忘れてしまったという。

途中で思い出して、引き返してきたのである。

荒井さんも坊さんも唖然。

岡田さんは、晴々とした顔でバイクに乗って帰って行った。


それを見送っていた荒井さんが「明日の約束忘れてないだろうなあ?」とつぶやいた。

「自分の家をわすれてないでしょうね。」と荒井さんの奥様も心配顔。

やがて坊さんも帰って行った。


静かになった庭では、吾亦紅が風に揺らいで、

遠くからは、蝉の声が寂しそうに届いていた。


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いつもながら哲学の道を散歩しています。


朝日の当たる家の前では、朝顔がきれいに咲いていて、見るに気持ちが良い。




散歩道のお家で欄が咲いた。

シュンランと云うけど開花時期が問題で、和欄かと思うのですが確信なし!





朝なのに、空は夕刻のような雰囲気!




台風の影響だろうかと思う!風が気持ちいい!!!


昨夜の雨で野草たちは、水玉を乗せている。




露ならぬ露草も元気に咲いていた。





朝顔は、非常にポピュラー花だけど、なにか郷愁を感じます。

子供の頃、夏休みの宿題で、朝顔を育てたことが、印象深く心に刻まれているからかも

知れない。

見れば見るほど、きれいさに心が奪われてしまいます。







野の草花には、蝶ががお似合いです。




哲学の道の朝日の当たるカフェ





まだ、開店前で立ち寄れない。

すれ違うのは、愛犬の散歩をさせている人たち。

時には、犬友で立ち話

次回は、散歩で出会う人たちの様子など書いてみたいと思います。