道といえば、高村光太郎が『道程』で歌ったような道もあるが、
私の興味は現実の道にある。

道には、他に獣道もあるが、
それ以外は、すべて人間が作った物である。
人の移動、物流にとって、道は欠くことの出来ない重要な物である。

で、道は、至る所に有り、珍しい物ではないが、
想像力を働かせると、なぜかそれが生き物のように見えてくるのだ。
この道の向こうにどんな世界が広がっているのだろうと思うと、
なぜかわくわくした気分に満たされる。
初めて通る道では、その気分が特に高揚するのだ。

自分の知らない素敵な世界に導いてくれるような思いで満たされる。
たとえその道が、雪に閉ざされた道であっても、
炎天下のうだるような暑さの道であっても、
若い頃は、道は目的地へ行く単なる手段でしかなかったが・・・・・・
今の私には、その道中も楽しみである。

道ですれ違った人たちは、どんな人生を送ってきたのだろうと想像する。
立ち並ぶ家々を眺めながら、そこで生活している人たちの思いを想像する。

想像を膨らませると、目に映るすべての物に興味がわくのである。
そして、心が満たされていくような思いがする。

熊本・瀬の本高原(やまなみハイウェイ)
草原を突っ切る一本道
この先に、阿蘇外輪山の大観峰があり、
旧火口の町が眼下に広がり、阿蘇全山が見渡せる。



牧ノ戸峠 標高1330m(やまなみハイウェイ) 





木々は、雪に覆われて、雪道が続く。
ここを南に下ると大分県側に久住高原、
熊本県側に瀬の本高原が広がる。
いずれも壮大な眺めで有り、心が浮き立つような気分にさせられる。