潮駅の桜並木を後にして、17番目の駅、沢谷駅に向かう。

三江線は潮発電所を過ぎたあたりから、

江の川に別れを告げて山の中に進んでいく。


私は、江の川沿いに国道375号線を北上









江の川は、このあたりでS字型に大きく蛇行している。

大きくカーブした川の向こうに信喜という集落が見えてくる。

まるで湖に突き出た陸地のようなきれいな風景である。




上川戸で右折して県道166号線を三江線の線路沿いに山の中へ

進路としては、三江線を逆走しているようなものである。

というのも、三江線は、この区間だけ江の川から離れて沢谷駅に向かい

再び江の川へ戻って、次の駅浜原駅へと進むのである。


なぜか沢谷駅だけが、江の川沿いではなく、山間にあるのだ。

ホームから眺める線路は、両方ともまっすぐに伸びている。

のどかな田園風景の中にある。













ここまで来たのでと欲を出して、さらに山間部に走る。

しばらくすると円立寺と「ふるさと おおち伝承館」が見えてくる。







この伝承館の庭には、大きな満開の桜の木がある。

前川桜というらしい。

このしだれ桜は、エドヒガンザクラが突然異変した名木だという。

木の幹をよくよく見ると確かにとても桜の木とは思えない。

珍しい桜の木である。











円立寺の前にあるハナモモも鮮やかに満開を誇っていた。




道中、沿道には満開の桜の木が沢山あった。

この地域の人は、とりわけ桜の木が好きなようである。

桃源郷ではなく、桜源郷のようだ。




道草はここで終わり、浜原駅に向かって、

江の川に引き返すことにした。