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さよなら三江線 シリーズ18 沢谷駅 [三江線]
潮駅の桜並木を後にして、17番目の駅、沢谷駅に向かう。
三江線は潮発電所を過ぎたあたりから、
江の川に別れを告げて山の中に進んでいく。
私は、江の川沿いに国道375号線を北上
江の川は、このあたりでS字型に大きく蛇行している。
大きくカーブした川の向こうに信喜という集落が見えてくる。
まるで湖に突き出た陸地のようなきれいな風景である。
上川戸で右折して県道166号線を三江線の線路沿いに山の中へ
進路としては、三江線を逆走しているようなものである。
というのも、三江線は、この区間だけ江の川から離れて沢谷駅に向かい
再び江の川へ戻って、次の駅浜原駅へと進むのである。
なぜか沢谷駅だけが、江の川沿いではなく、山間にあるのだ。
ホームから眺める線路は、両方ともまっすぐに伸びている。
のどかな田園風景の中にある。
ここまで来たのでと欲を出して、さらに山間部に走る。
しばらくすると円立寺と「ふるさと おおち伝承館」が見えてくる。
この伝承館の庭には、大きな満開の桜の木がある。
前川桜というらしい。
このしだれ桜は、エドヒガンザクラが突然異変した名木だという。
木の幹をよくよく見ると確かにとても桜の木とは思えない。
珍しい桜の木である。
円立寺の前にあるハナモモも鮮やかに満開を誇っていた。
道中、沿道には満開の桜の木が沢山あった。
この地域の人は、とりわけ桜の木が好きなようである。
桃源郷ではなく、桜源郷のようだ。
道草はここで終わり、浜原駅に向かって、
江の川に引き返すことにした。